遺言の種類遺言の方式には、普通方式と、特別方式の2つがあります。
普通方式の遺言普通方式の遺言には、3種類があります。
・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言
<自筆証書遺言>
自分で書いて自分で管理する遺言です。ワープロ書きや代筆などは無効です。日付を含めた全文を自分の手で書かなければなりません。自署し印鑑を押しましょう。印鑑は実印が望ましいです。
<公正証書遺言>
遺言の作成に法律の専門家である公証人と2名以上の証人が必要な遺言です。法式不備などで遺言書が無効になる可能性は通常ありません。また、作成後も遺言書の原本を公証人が保管するため、偽造や改ざん、紛失などの恐れもありません。
遺言書が本人の意思であることは公証人によって確認されているので、検認の手続きは不要です。証人には法定要件があり、以下のものが証人になった場合、遺言書は無効です。
1.未成年者(974条1号)
2.推定相続人、受遺者およびその配偶者ならびに直系血族(同条2号)
3.公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び雇い人(同条3号)
<秘密証書遺言>
自分で作成し、署名、押印し封印した遺言書を公証してもらいます。公正証書遺言のように、内容を知られることなく、秘密を保つことができます。また、2名の証人の立会いのもとに公証しますので、遺言の存在を明確にできます。
遺言書はただ公証人が関与しないので、方式不備などにより遺言が無効になる危険があります。ワープロや代筆による作成が可能です。
特別方式の遺言特別方式は危急時遺言と隔絶地遺言があります。それぞれがさらに2つに分けられ、危急時遺言には一般危急時遺言、難船危急時遺言があり、隔絶地遺言には一般隔絶地遺言、船舶隔絶地遺言があります。
これらの方式は、遺言者が普通方式による遺言をできるようになったときから 6ヶ月間生存していた場合、効力はなくなります。